4.こうなったらとことん他人に頼ろう、イタリアとか
ぴこぴこと一本妙なくるりを揺らせつつ、向こうからやってくる茶髪の少年イタリアを認めて、プロイセンは物陰から飛びだした。
おまけにプロイセンの顔は赤く息も荒い。うっかりすると変態と間違えそうだ。
ずい、っと一歩プロイセンが前に進むと、青い顔をしてイタリアは一歩後ろに下がる。
「ここここわくない! 怖くないぞ!! 俺はただお前に、届けてほしいもの、がっ」
それに負けず劣らずがたがたしながら、プロイセンは右手を思いっきり突き出した。
「やーーーっ!!」
しかし怯えきったイタリアに、その行動は逆効果だった。
砂嵐が巻き起こる。
こいつ、こんなに速かったっけ? 走り去ったイタリアの後ろ姿に手をのばしかけた、中途半端な格好のままぽかんと固まり、プロイセンはカクンとあごを落とした。
「鳥でも飛ばすか……」
そこにスペインかフランスあたりがいたならば"何だその逃げ腰は"とでも怒りだしそうな事を呟いて、プロイセンは帽子を拾い上げてから、少々足を引きずるようにしながら歩きだした。
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